目的

第1条

本自主ルールは、インターネット上の商取引(EC)を支える決済サービスを、高品質かつ安全、安心に提供することを通じ、さらなるネット経済の発展に貢献するために、EC決済協議会を構成する会員各自が、自ら守るべきルールにつき定めるものである。決済サービスを自ら提供する各会員は本ルールを遵守の上業務を遂行するとともに、賛助会員においては、本ルールの背景・理念達成のため、その業務範囲内において協力を行うものとする。

自主ルールの位置づけ

第2条

本自主ルールは、消費者および加盟店が安全、安心にECを利用できる環境を整えるために必要な考え方について記載しているものである。各会員は、決済業務がECの発展に重要な役割を担うことを自覚し、本自主ルールを十分に理解した上で、社内の態勢を整備し実践するとともに、定期的な実施状況の見直しを通じて、さらなるECの発展に寄与するために積極的な取り組みを行う。

健全な業務運用

第3条

各会員は、常に公正かつ誠実に事業運営に当たり、社会的信用の維持・向上に努めるとともに、関連法令及びクレジットカード等の決済に関わるカード会社その他の決済事業者との契約ならびに決済事業者の定めるルールを遵守する。

不良加盟店の排除

第4条

各会員は、消費者に被害やトラブルをもたらすいわゆる不良加盟店の存在がECの安全、安心の阻害要因となっていることを十分に理解するとともに、こうした不良加盟店に決済手段を提供すること、ならびにこうした不良加盟店に決済手段を提供している決済代行業者がECの健全な発展を脅かしていることの重大性を認識し、会員による不良加盟店への決済手段の提供が行われることの無いよう万全の努力を行う。

加盟店管理

第5条

決済サービスを提供する各会員は、前条の不良加盟店排除のため、カード会社その他決済事業者と協働して適切な加盟店管理に努めるとともに、正会員は自らの加盟店が不良加盟店であることが発覚した際には、速やかに決済手段の提供を取りやめる等、必要な措置を行う。

クロスボーダー取引の禁止

第6条

不良加盟店への決済手段提供は、国際ブランドが禁止するいわゆるクロスボーダー取引を行う業者により提供されていることが多い実態に鑑み、各会員は対象とする加盟店が不良加盟店か否かを問わず、国際ブランドが禁止するクロスボーダー取引は現在および将来においても実施・関与しない。

消費者保護

第7条

決済サービスを提供する各会員は、EC業界の発展に向けて、消費者の保護が重要な役割を担う点を十分に認識し、正会員は消費者や消費者から相談を受けた消費者センター等関係者からの連絡を受け付ける連絡先および連絡を受け付ける日時を本協議会を通じ公開する。

加盟店保護

第8条

決済サービスを提供する各会員は、決済代行業者は決済事業者から加盟店への売上代金入金に関与する重要な役割を果たしていることを自覚し、債務超過や著しい自己資本不足に陥らないよう健全な財務状態を維持するとともに、更なる財務基盤強化に努める。また、加盟店が自らの資金への重要な関与者としての健全な事業判断が出来るよう、自社の決算書(貸借対照表及び損益計算書)を原則3期分ホームページ等に公開し、加盟店への十分な情報開示を行う。但し、会員が親会社の被連結企業の場合で、親会社が国内外の証券取引市場への上場もしくは決算書類公開等を行っている場合には、会員の決算に関わる情報開示をこれに代えることができる。

情報セキュリティ

第9条

決済サービスを提供する各会員は、ECの決済においてクレジットカード情報その他の個人情報のセキュリティ確保の重要性を十分に理解し、消費者および加盟店に安全な決済を提供するため、PCIDSSに完全準拠する。また、プライバシーマークの取得等、その他の方法で情報セキュリティのさらなる強化に向けた取り組みに努める。さらに、加盟店に対しては、カード情報非保持化の啓発に努めるなど、情報セキュリティ強化ならびに加盟店の円滑な運営に向けた取り組みに努める。

クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けたガイドライン

第9条の2

特に各会員は、経済産業省が支援し、一般社団法人日本クレジット協会が事務局を務めるクレジット取引セキュリティ対策協議会が、割賦販売法で求められるセキュリティ対策の実務上の指針として発表する、「クレジットカード・セキュリティガイドライン」(名称が変更された場合であっても、クレジットカード情報等の保護、クレジットカード偽造防止対策またはクレジットカード不正利用防止のために、加盟店等が準拠することが求められる事項を取りまとめた基準として当該ガイドラインに相当するものを含む。)に真摯に取り組むものとし、本取り組みを通じてクレジットカード取引の安全性および消費者の信頼性の向上を図り、もってECの健全な発展に寄与することに努める。

不正利用防止

第10条

各会員は、不正に入手されたクレジットカード情報やユーザー情報等による犯罪被害を防止するため、クレジットカード会社その他決済事業者と協力し、不正利用の防止に向けた取り組みに努める。

反社会的勢力の排除

第11条

各会員は、消費者、加盟店及びクレジット取引に携わる関係事業者に脅威を与える反社会的勢力に対しては一切の関係をもたず、今後とも関係者と連携して反社会的勢力の排除に取り組む。

改廃

第12条

本自主ルールの改廃は、理事会の決議にて行う。

附則

  1. 本自主ルールは、平成26年6月1日から施行する。
  2. 本自主ルールは、平成27年2月1日から改定施行する。
  3. 本自主ルールは、平成28年12月9日から改定施行する。
  4. 本自主ルールは、平成29年3月24日から改定施行する。
  5. 本自主ルールは、平成30年7月1日から改定施行する。
  6. 本自主ルールは、令和2年7月1日から改定施行する。